富士山





 中学校の修学旅行で、初めて富士山を見た。薄い朝もやの中、バスガイドさんが指差す方向に目をこらすが何も見えない。しばらくして気がついた。視線が低すぎたのである。遠い山を探す視線から遥か上方に富士山はあった。首が痛くなるくらい見上げて、やっと全体が見える山があることを初めて知った。この時、バスで五合目まで登り、積もった雪というものにも初めて触った。

 これから後は、富士の近くに行くことはなく、もちろん登ることもなく、たまの関東方面への出張時に見るだけ。それでも新幹線に乗るときは、できるだけ山側窓際に座るようにしている。

 去年、初めて飛行機から見た。上から見ると、噴火口がモロに見えて、ちょっと異様な感じがした。やっぱり、下から見上げるほうがいい。
 
写真は山梨ではなく静岡県を走る新幹線からのもの。


  
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