松下村塾





(やっと本州へ)

 山口は、販売店実習で、萩から近い徳佐というところにある店にしばらくお世話になった。

 秋真っ盛りの頃、仕事は忙しかったが気候も良く、もともと肉体労働のほうが好きなので、暖かな秋の日差しの中、よく働いた。店の庭に植えられていたキンモクセイの香りが今も記憶に残っている。 店長が気さくな方でギターも弾かれたので、夜などは大学生の娘さんのピアノも一緒になって合奏したりした。

 休みの日には、萩や津和野に連れてってもらい、高杉晋作や吉田松陰のことをよく教えてもらった。

 実習も終わりに近付いた頃、店長に「うちの娘のムコにならんか?」と真顔で言われた。娘さんは困っていたが、もしそうなっていたら今ごろどうしていただろうかと時々考える。たぶん、油にまみれてスパナを握っているだろうな。そんな人生もまあ悪くはない。

(写真は萩市の松下村塾)


  
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