行方不明





 鳥取県に住む友人を頼って大山にスキーに行った。下の娘がまだ幼稚園か小学校低学年の頃である。車のチェーンが切れたりして何かと苦労しながらやっとスキー場に着き、娘にスキー板を履かせた後、ちょっとした広場で待たせておいて、リフト券を買うため5分ほどその場を離れた。

 戻ったら、娘の姿がどこにも見えない。冷汗が出て鳥肌が立った。しばらくの間、必死で辺りを探したが、どうしても見つからない。ふと見ると、待たせておいた辺りから崖の方に向かって、雪の上にうっすらと2本の線が伸びている。間違いなくスキーの跡だ。まさかと思いながら祈るような気持ちで崖下をのぞくと、そこに居た!7〜8m下の雪の中で、泣きもせず必死ではい上がろうとしている娘の姿があった。状況から考えるとどうも後ろ向きに滑ってしまって止まらなくなったようだ。
 近くの回り道から何とか下に降りて、抱き上げることができたが、さすがにこの時ばかりは肝を冷やした。
 下の写真は、その時の2倍くらいに大きくなった娘と、2009年2月にまた大山に行ったときのものである。






  
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