「自作ノススメ」その3       

   
 組み立てのほうは順調に行き、Windows-Meのインストールも無事終了、画面の縦横位置の微調整をするために写真を表示させてみたところ、あれれ?何か変!画像の色がおかしいのです。
これは画面のプロパティーが変わってしまっているせいだろうと思って「画面のプロパティー」の「設定」を出してみると、なんと言うこと!本来なら24ビット(TRUE COLOR)とか16ビット(HIGH COLOR)とか出てくるはずの色設定が「16色」モードしか選べなくなっています。これではまるで20年前のパソコンのようです。

 こんなときの原因はいろいろ考えられますが、いちばん怪しいのは「ドライバー」でしょう。パソコンの周辺機器(ディスプレィやマウス、プリンタやスキャナなどすべてのデバイス)をパソコンが認識して動かすためには、ほとんど例外なく「ドライバー」と呼ばれるプログラムが必要になります。
セットで買ったまま使っている場合にはあまり意識することはないのですが、周辺機器を買い足したり交換した場合には、「ドライバーのインストール」という作業が必要になります。

 今回買ったディスプレィは韓国メーカ製のものでしたが、たぶんこの「ドライバー」がちゃんと組みこまれていないのだろうと考えて、もう一度ディスプレィに付属していたフロッピーを使ってインストールをやり直しました。再起動すること数回、何度やっても16色のままです。

 ドライバーの様子は、「マイコンピュータ」を右クリックして「プロパティー」の「デバイスマネージャ」というところで確認することができるのですが、そこの「モニター」のところには、ちゃんと該当するディスプレィの名前が入っていて、問題はありません。夜の更けるまで(というか明け方まで)ああでもないこうでもないとやって見ましたがらちがあかず、あきらめて寝てしまいました。

 次の日は一日中忙しく、パソコンをさわるのはまた深夜になってしまいました。インターネットでメーカのホームページを調べたり、ほかにもパソコン内のいろんなところを調べましたがどうしても原因がわからず、疲れ果ててふとあたりを見回すと、組み立て開始から散らかしっぱなしの部屋は、足の踏み場もありません。気分転換に部屋の片付けを始めました。部品の空き箱を折りたたんで、次に、マザーボードが入っていた少し大き目の箱を手に取ったとき、ポロッと中から転がり出たものが…。
あら?このCDはいったい何?とよく見ると「Windows Me用ディスプレィドライバ」の文字が…。

 何のことはない、ちゃんとマザーボードに付属していたドライバーのCDをインストールしていなかったのですね。不足していたのはモニターのドライバーではなく、マザーボード側のディスプレィアダプタのドライバーだったのでした。このCDを入れると勝手にインストールが進んで行き、二晩悩んだのがウソのように、綺麗なTRUE color の画面になりました。

 トラブルはこれだけでなく、「音がぜんぜん出ない」という深刻な問題もあったのですが、あまりにも長くなるので、初めてのパソコン製作記はこの辺で終わることにします。

教訓T:組み立ては休日の前日に始めよう。
教訓U:組み立て後の部屋はしっかり片付けよう。

 「自作ノススメ」というお題とは裏腹に、苦労した話ばかりを書きましたので、あまり「ススメ」にならなかったかも知れません。でも、それだけに愛着も湧き、今では快適に動いている我が愛機が余計にかわいくなってくるのです。完成から早3ヶ月がたち、当初安いと思っていた価格も、今では普通にお店で買える値段になっています。組み立ての手間を思えば、「自作の経済的メリット」はほとんど無くなって来ているのかも知れませんが、「自作」によって、パソコンというものに対する理解度が一気に深まることは間違いありません。(トラブルがあれば余計にです。)

 秋の夜長、みなさんもパソコンを組み立ててみませんか?トラブルの原因追求と解決を一つ一つ楽しみながら…。

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