トロイの木馬

   
  最近、新聞などでもコンピュータウィルスに関することがよく話題になっています。特に世界的に大きな被害が出たのは、昨年の「Ilove you」と呼ばれるウィルスでした。少し前までは、よほどの事が無い限り、これらウィルスに遭遇することは無かったのですが、ここ1年ほどの間に、インターネットやEメールを使用する人が急激に増えて来て、いやな事ですがコンピュータウィルスはかなり身近な存在になりました。当教室の生徒さんにも、ご自分のパソコンがウィルスに感染してしまった方が何人もおられ、気付かないうちに住所録内のメールアドレスにウィルス付きのメールを送ってしまったり、パソコンが起動しなくなったりした方もおられました。
そこで今月は、コンピュータウィルスへの対処の仕方についてまとめてみました。

   一口にコンピュータウィルスと言っても、非常に多くの種類があり、それぞれ症状や被害の大きさも違います。症状(被害)の面から分類してみますと、

@ハードディスクのフォーマットをするもの
(データがすべて消去されてしまう)
Aシステムファイルの改変や消去をするもの
(パソコンが起動しなくなったり、遅くなったりする)
B勝手にメール(ウィルス付き)を送信するもの
(破壊活動はしない)
C画面上に絵やメッセージを表示するだけのもの
(といっても邪魔にはなる)
Dネットワーク機能だけが使えなくなるもの
E特定のホームページが見られなくなるもの
などがあります。

  感染の経路としては、昔はフロッピーディスク経由(他の人から借りたフロッピーを読み込んだときに感染)がほとんどだったのですが、最近はEメール経由の感染がほとんどと言っても良いでしょう。この中でもかなり厄介なのが「トロイの木馬型」と呼ばれるタイプのもので、WindowsのSystemのプログラムを自分で書き換え、使用者がメール送信をするたびに、その相手にウィルスの複製を送信したり、ひどいものになると、住所録に入っているすべての人にウィルス付きメールを勝手に送信したりします。送られた人がそれに気付かないままでいると、またその人の住所録に載っている相手に送信…と、こんな風にどんどん広がって行きます。対処方法としては、とにかく知らない相手や名前の無い人から送られてきたメール(特に添付ファイル付きのもの)は、絶対に開かないことです。この種類のウィルスは、受け取っただけでは感染せず、クリックして開いた時に感染するものがほとんどなので、開かずにそのまま削除すれば大丈夫とのことです。

  とは言っても、インターネットのHPから感染する種類のものもあり、注意しているだけでは防ぎきれるものではありません。上に書いたようなことから、ウィルスに感染すると、自分のパソコンだけでなく、知り合いのパソコンにまで迷惑をかけてしまう可能性が高いのです。インターネットやEメールをお使いの方は、やはり「ワクチンソフト」と呼ばれるウィルス対抗ソフトをインストールすべきでしょう。これらをインストールすると、外部とやりとりするすべてのデータを、そのたびに調査して、ウィルスが含まれていれば自動的に駆除してくれます。例えば、下記のサイトからは1ヶ月間試用できる体験版がダウンロードできますので、試して見られてはいかがでしょうか?
http://www.trendmicro.co.jp/trial/index.htm

  稀に、このようなソフトを使っても、見つけてくれるだけで駆除ができないウィルスもあります。Windowsで使用するDLL(ダイナミックリンクライブラリ)などのファイルを書き換えてしまうタイプのものがそれで、感染したファイルを削除しようとすると、「Windowsが使っているので削除できない」というメッセージが出てしまいます。このような場合には、それ専用の駆除ソフトをダウンロードしてMS-DOSから実行するか、あるいは、MS-DOS画面で起動して、コマンドラインでファイル削除と置換(別のパソコンから必要ファイルを持ってくる)を行う必要があります。いずれにしても、初心者には難しいと思いますので、詳しい人に相談するほうが良いでしょう。

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