コンピュータで音楽を Part2

 

今月も先月に引き続いてコンピュータミュージックのお話です。

カラオケの演奏やインターネットからダウンロードできる曲は、もともとパソコンで作られているものが多いという話をしました。もちろんこれらの曲は、いろいろな人たちがパソコンに音楽のデータをインプットし、(この作業を「打ちこみ」と呼ぶ)普通は楽譜の形で表される「音の集まり」を、デジタルデータに変換しているのです。たとえば通信カラオケで曲を選ぶと、回線を通じてこのデータが送られ、カラオケマシンの中のコンピュータが「音」に戻して演奏してくれるというわけです。

 

さて、それではこれらのデータはどのようにして作るのでしょうか?ずっと以前は、コンピュータでの音づくりというのは、それはそれは大変な作業でした。パソコン(CPU)そのものの能力もひどく幼稚なものでしたし、出せる音がこれまた貧弱で、かなり高価なパソコンでも3和音程度しか出せませんでした。今の携帯電話のほうがまだましですね。おまけに音づくりのためのソフトウェアなどというものもあまり無く、音階と音の長さを英数字で表してズラズラと書き並べて行ったものです。

パソコンとは別に、こういったデジタル音楽の打ち込み専用マシンもありました。これらの機械にはピアノの音とかバイオリンの音とか、その他数多くの音が最初からセットされていて(「音源」と呼ぶ)、それらの楽器を組合せたアンサンブルの曲が作れるようになってきました。これら外部の音源とパソコンをつなぐことによって、パソコン画面上でマウスを使って楽譜を作り、外部音源を鳴らすというのが一般的です。楽譜と言っても、普通の五線譜ばかりでなく、ピアノロールと呼ばれる図表示楽譜などもあります。最近ではパソコンの能力が飛躍的に向上したため、外部の音源なしでもそこそこにいい音が鳴らせるようになってきました。当教室のホームページにある曲は「外部音源」は使っていません。一度聞いてみてください。

 

さて、パソコンの画面で楽譜などを扱いながら音楽を作っていくソフトのことを、一般的に「シーケンサー」または「シーケンスソフト」と呼びます。有名なものとしては、Mac用では「Performer」、Windows用では「Cakewalk」、「XG works」などがありますが、ほとんどの場合、外部音源と抱き合わせで販売されているためかなり高価(10万円前後)です。上にも書いたように、外部音源なしでもそこそこのものはできますので、最初のうちは、例えば「Singer Song Writer」などの安価(1万円程度)なソフトでも充分だと思います。 こんなソフトを使っていて楽しいのは、自動伴奏機能や作曲支援機能です。メロディーだけ作ってやれば、ドラムやベースなどの伴奏を自動で作ってくれますし、そのメロディーでさえ、パソコンのマイクから鼻歌で歌ってやれば、ちゃんとした楽譜に直してくれる機能が付いたものもあります。こんな機能を使えば、コード(和音)や楽譜などの詳しい知識がなくてもそれなりに音楽が楽しめてしまいます。また、自分では絶対に演奏できない楽器や、見たことも無い世界の民族楽器を使って合奏ができたりする、というのもコンピュータならではですね。

 

最近では、ハードディスクレコーディングと言って、声や生演奏もパソコンのハードディスクに直接録音できるようになってきていますので、シーケンスソフトで作った自作曲のカラオケに自分の歌を入れることも可能です。

 

 ここのところ、話題が専門的になりすぎてしまいました。来月からは、もう少し基礎的な話題に戻したいと思っています。

 

 

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