「えーっ! ペンティアムじゃないの?」

 ここしばらくの間にパソコンの世界では、Windowsが95から98になり、ISDNが普及し、CPUもPentium 200で「速い」と思っていたものが、300とか400が当たり前になったりして、とにかくすごい勢いで進化が進んできました。 そんな中で、ひところはCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置 パソコンの頭脳部です)と言えばペンティアム、Intelでなければパソコンにあらず!みたいな雰囲気がありましたが、最近は、パソコンの外観ばかりでなく、中身のCPUについても多様化が進んで来ました。そしてそれがまた、購入時の迷いの一因ともなっています。

 今月は、パソコンの頭脳部であるCPUについて、最近の主な話題を書いてみます。

 上にも書きましたように、Windows95が出て、パソコンがどんどん普及しだした約2年くらい前には、Intel(インテル)社製のCPUがほとんどのウィンドウズパソコンに搭載されていました。中でも代表的なのが、皆様よくご存知の「ペンティアム」と呼ばれるCPUです。ウィンドウズとインテルのシェアのあまりの高さに、やっかみ半分で「ウィンテル」などという言葉が生まれたのもこの頃でした。

 インテルがこれだけの市場占有率を持ってしまうと、他のCPUメーカーは独自のCPU開発をあきらめざるを得ず、「ペンティアム」と互換性を持たせたCPUを細々と作っていました。これら互換CPUは、本家インテル製のものと互換性を保ちながら(100%ではありませんが)、性能はまあまあ良く、価格は半額程度とかなり安かったもので、パソコンを自作してしまうような人たちの間では有名なものもありました。 ところが会社としての知名度のない悲しさ、富士通とかNECなどの国内有名パソコンメーカーは、これらの互換CPUはまったく採用していませんでした。

 ところが、ここ1年ほどの間に事情は大きく変化してきました。今いちばん売れているパソコンの価格帯は15〜20万円ということからもわかるように、低価格化のニーズがどんどん強くなり、インテル製CPUにこだわってはいられなくなったのでしょう。富士通が初心者向けのパソコンにAMD社のK6というCPUを採用したのを皮切りに、他のメーカーでも次々に採用を始めました。

 互換CPUメーカーとして有名なのは、AMD社、サイリックス社などですが、最近ではIBM自身も、自社製のCPUを搭載したパソコンを作り始めました。 パソコンを使う私たちの立場から見れば、CPUはどこのものでも関係ないわけで、同じ性能なら安いほうがいいに決まっています。使っているパソコンが古くなった時、新しいCPUを部品で買ってきて差替えるというようなことをしないのなら、互換CPUでも何の問題もありません。実際の性能面でも、たとえばAMD社のK−6というCPUの速度は同じクロック(MHZ)のペンティアムと全然変わらないというデータもあります。(価格は半分に近いにもかかわらず!)

 こういった低価格互換CPUに対抗するため、本家のインテル社からも、性能は落とさず低価格化した「celeron(セレロン)」というCPUが発売されました。これは「PentiumU」とほとんど同じ性能で、価格は3分の2程度になっているものです。最近のパソコンで、比較的低価格のものには、この「セレロン」を搭載したものが非常に多くなってきています。これからもこんな低価格高性能CPUがどんどん増えていくことでしょう。

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