パソコンの捨て方

 地震に津波に台風と、今年は想定外の天災が起こりやすい年なのでしょうか。先の台風では筆者の実家でも床上浸水となってしまい、テレビ、電話機、洗濯機などの家電は言うに及ばず、車やバイクも軒並み水没で壊れてしまいました。最近の機械類は内蔵のコンピュータで動くので、いったん水没してしまうと分解掃除程度ではなかなか動くようにはならないようです。

 パソコンも水没などすれば多分再起は不能になると思いますが、かと言ってそのままポンと捨ててしまう訳には行きません。そこで今月は、安全なパソコンの捨て方のお話です。これについては5〜6年前に一度ここに書いたことがあるのですが、その時とは状況も変わってきていますので、もう一度復習して見ることにします。

 新しいパソコンに買い替えたとき、古いパソコンをどうするか、という問題が生じます。最近はノートパソコンが多いので、そのまま取っておいてもそれほど邪魔にはならないかも知れませんが、いつかは処分しなければならない時がやってきます。

 まずやらなければならないのは、新しいパソコンへのデータの移行です。ご自分のパソコンの中身を完全に把握している方はまずおられないと思いますので、データの効率的な移行のためには、最近のWindows7ならば、スタートメニューに「Windows転送ツール」が入っていますので、これを使うのが良いでしょう。新旧のパソコンをLANでつなぐかUSBや外付けハードディスクを介して比較的簡単にほとんど全てのデータを移す事ができます。新しいパソコンに付属している「お引っ越しツール」などを使うという手もあります。

 ただ、これらのツールを使った場合でも何らかの理由(思いもよらないフォルダに入っているとか)により、データが写らずに残ってしまう場合もありますので、しばらくの間は古いパソコンも残しておくのが賢明です。例えば、あの写真が無い!などと気付いたときにまた探せば良いのですから。

 これが済んだら、古いパソコンのデータを消去します。中古品として再販するとか、使える状態のままで業者に出す場合、Windows上で消しただけでは、まだハードディスクには見えない形でデータが残っていることがあるので、初期化作業を行って買った時の状態に戻す(これをやっても何らかの形では残っているのですが)、あるいは市販のデータ消去用ソフトを使うのが安全です。

 売るのではなく捨ててしまう場合には、メーカーに回収を依頼する必要があります。2004年以降に買ったものであれば「リサイクルマーク」がついていて、買ったときに既にリサイクル料金を払っているので無料で引き取ってもらえますが、それ以前のものでリサイクルマークが付いていないものについては処分費用(3〜4000円)がかかります。メーカーへの連絡方法は、電話、FAX、インターネット等、色々な方法が取れるようになっています。どれかの方法で申し込むと伝票が送られて来ますので、それを貼り付けて郵便局に持ち込む、というのが一般的です。付属品のマニュアル(取扱説明書)やCD-ROMなどは引き取ってくれませんので、これらについては自治体のゴミ収集に出す必要があります。

 また、自作パソコンであるとか、パソコン事業から撤退してしまったメーカー品などのように、メーカーのリサイクル処理を期待出来ない場合には、「パソコン3R推進協会」(http://www.pc3r.jp)という組織がありますので、ネットで確認してみてください。

 上記のようにして回収されたパソコンはメーカーのリサイクル工場でバラバラに分解され、素材別に分けられて新しい原料として再利用の道を歩むはずです。また別の新しいパソコンになる材料もたぶんあるのでしょう。

 リサイクル費用がかかるからと言って、自治体などのゴミ収集に出してもパソコンとわかれば持っていってくれませんので注意が必要です。もし自分で山などに捨てに行けば不法投棄で罰せられるのはもちろんです。

 尚、パソコンやディスプレイ以外のプリンターやスキャナーなどの周辺機器は、自治体の不燃ゴミや粗大ゴミに出して良いことになっていますのでご参考まで。



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