パソコン・クールビズ

 震災以来、原子力発電所の先行きがなかなか見えず、あちこちの原発が止まったまま、このままでは夏の電力不足が深刻になるかもしれないということで、色んなところで省エネが叫ばれており、冷房温度の高め設定や土日出勤、服装のスーパークールビズなどが実施されてきています。

 この7月から、Yahooの初期画面に関西電力の電力仕様状況がリアルタイムでグラフ表示されるようになっているのをご存じでしょうか?今のところはまだ表示するだけのようですが、今後さらに電力が逼迫するようになれば、例えば95%を超えたらメールやウェブで一斉に節電を呼び掛けるというような動きもするようです。

 エアコンに比べれば使用量は僅かとはいうものの、パソコンもやはり電気を使っています。その使う電気はほとんどが熱に変わり、部屋の温度を上げる一因にもなっていますので、パソコンの節電は2重で効果があるとも言えます。もう一度、お使いのパソコンの省電力機能について復習してみましょう。ノートパソコンの場合は出来るだけバッテリを長持ちさせる手段にもなります。

 基本的な省電力機能の設定は、コントロールパネル「システムとメンテナンス」の「電源オプション」で行います。(クラシック表示の場合は、コントロールパネルの直下にあります。)
「バッテリ設定の変更」では、「バランス」「省電力」「高パフォーマンス」が選べます。問題が無いようでしたら「省電力」にしましょう。

 左側のメニューに「ディスプレイの電源を切る時間の指定」というのがあります。バッテリ駆動と電源に接続時のそれぞれに時間設定が出来るようになっていますので、不都合の無い範囲で短くしてみましょう。また、「コンピュータをスリープ状態にする」時間の設定も同じ画面で変更できます。

 同じ画面にある「詳細な電源設定の変更」をクリックすると、それぞれの電源プラン(バランス、省電力、高パフォーマンス)での非常に細かい設定、例えばバッテリ使用の時には無線LAN機能を低下させる、とか、何分でハードディスクの電源を切る、とかが出来ます。変更してみて、ちょっと使い勝手が悪いと感じた場合には、「プランの設定を復元する」をクリックすれば、前の状態に戻せるので安心です。

 「ディスプレイの輝度」も同様に調整が出来るようになっていますので、少しずつ変えてみてください。意外に明るすぎる状態で使っていることが多いものです。
筆者が出張時に使っているノートパソコンでは、バッテリでの使用時にはほとんど全ての部分を最高省電力モードに変更しているのですが、通常設定に比べるとバッテリの持ちが約3倍になります。

 一般的なノートパソコンでは、Windowsキー(キーボード左下の窓のマーク)を押しながらX(エックス)キーを押すと、「Windowsモビリティセンター」というソフトが起動して、上記の設定がヴィジュアルに簡単に変更できますので試してみてください。

 注意点があります。これら省電力モードは、「ディスプレイの輝度」(画面の明るさ)の項目を除いて、パソコンの処理能力(速度)が落ちてしまう、と言う事です。ですから、写真などの複雑な処理や動画などの表示の際には、省電力モードのままでは遅すぎてイライラするかも知れません。この選択は皆さん次第ということになります。

 それから、パソコンによって、あるいは使っているソフトウェアによって、節電時のスリープ状態から復帰する際に、完全に元のデータが戻って来ない場合があります。せっかく作ったデータが、ちょっと席を離れたスキに消えてしまい、もう一度作り直しというようなことになっては、何のための省エネかわかりません。上記省エネモードをお試しの際には、必ず前もってそのようなことが起こらないか確認の上で実施していただくようお願いいたします。

 蛇足です・・今はもうほとんど見かけなくなりましたが、デスクトップ型パソコンで画面が「ブラウン管」の場合は、まず液晶モニターに変えることが一番の省エネになる、ということを付け加えておきます。

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