進化

 まだまだ当分の間は暑い暑い日が続きそうです。「過去30年の気候に対して著しい偏りを示した天候」というのが気象庁での「異常気象」の定義なのだそうですが、今年の夏のこの暑さはやはり異常気象なのでしょうか?日本ばかりでなく、ロシアの山火事とか、チベットの土石流とか、世界中で異常が起こっているような感じです。それでも、「暑さ寒さも彼岸まで」はまだ通用すると思うので、お彼岸の来るのが待ち遠しい今日この頃です。

 ITという言葉に代表される「パソコン」や「インターネット」の世界は本当に変化が早く、少し前まではドッグイヤー(普通の7年分の変化が1年で起こる)と言われていました。最近ではそれでも足りなくなり、マウスイヤー(18年が1年)と呼ばれるようになっているそうです。

 あまりにも変化が速すぎて、ようやく覚えた知識がすぐに過去のものになってしまうというのは困ったものですが、そんな中でも私たちにとって嬉しいのは、やっぱり性能向上と価格の低下でしょう。

 ノートパソコンについて見てみますと、昨年はネットブックと呼ばれる5万円以下の小型ノートパソコンが最も売れた年だったとのことです。メモリー容量やCPU性能は少し落ちるものの、通常のノートの半額程度という価格が人気で、携帯用あるいは2台目パソコンとしてずいぶん普及したようです。ただ、動画を見たり、大容量の画像を扱ったりするような用途にはこのネットブックでは能力不足で、メインパソコンの代替にはなり切れていないのが実情でした。

 ところが、ここに来て従来のノートパソコンと上記ネットブックの中間程度の価格帯のものが急に増えてきました。ネットブックではコストを下げるために「Atom」と呼ばれる超安価低性能CPUを使っていたのですが、最近の小型ノートではCeleronやCoreと言ったそれなりのCPUを搭載しながらも価格を5〜10万円程度に抑えたものがたくさん出てきています。この程度の能力があれば、動画視聴や写真の処理もほとんど問題が無いので、デスクトップや古くて大きなノートパソコンを使っておられる方がメインパソコンとして買い替えられる確率がかなり高くなるのではないでしょうか?最近では、デジタルカメラが趣味という若い女性がものすごく増えているらしいので、写真の整理のためにパソコンを買うというシーンも多くなってくるのでしょう。

 より高価格で高性能なパソコンの領域では「3D表示」が話題を集めています。「アバター」がヒットして以来、映画の世界では次々と3Dの作品が生まれています。DVD作品を立体的に見られることはもちろん、この夏発売の機種の中には、カメラを2台搭載して自分で3D映像を作れるようになったものもあります。今のところ3Dで見るためには専用の偏光メガネが必要で、テレビの3D放送は見ることができないという点には注意が必要です。今後、この分野がどんな風に進化して行くのか、興味のあるところです。

 パソコン以外では、iPhoneに代表されるスマートフォンの市場がずいぶん広がってきました。グーグル陣営がAndroidと呼ばれるOSを進化させ、NTTドコモからもそれを搭載したスマートフォンが発売されました。あの、画面を指で触るという操作形態が、ひょっとしたら日本人にはあまり馴染まないのではないかと思っていたのですが、若い男性を中心にスマートフォンの比率が高まりつつあるというニュースもあって、アメリカなどと同じように、通話だけの簡単携帯とパソコンのようなスマートフォン、という2極化が進むことになるのかも知れませんね。

 この他にも、iPadが発売になる2カ月以上前に、もうコピー商品が出たとかいう話がありました。現物を触った知人の話によると、画面が少し小さいことと速度がちょっと遅い他はほとんど問題なく使うことができたということです。進化と言って良いのでしょうか・・・


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