マルチ言語

 そろそろ暑くなってきました。今年はなかなか暖かくならず、あっと言う間に春が終わってしまったような気がします。上海万博はいろいろ言われながらもさすがに中国、盛り上がっています。もう40年前にもなってしまった大阪万博のことはかすかに覚えていますが、暑い中、地べたに座り込んでお弁当を広げる家族連れの写真が強く記憶に残っており、展示物は進歩しても人間と言うものはあんまり変わらないものだなぁと思います。順番待ちの列を守るマナーは、大阪のほうが少しだけマシだったかも知れませんが・・。

 さて中国のネット利用者が4億人を突破したという記事を読みました。一つの国のネット人口としては間違いなく世界一でしょう。中国の本当の人口がどれだけなのか、はっきりとはわからないようですが、仮に15億人とすると3人から4人に1人がネットにつながる環境を持っていることになります。もちろんこれは携帯電話を入れての話です。前にサイバーテロのことを書きましたが、この4億人の人たちがネットで一斉に何かを始めたら、と思うと空恐ろしくなります。

 中国のインターネット環境は、当局の規制がかかっていて、中国国内からのアクセスでは見ることの出来ないサイトがかなり存在することは周知の事実です。「こんな規制に従うことは出来ない」と言って、Googleが中国から撤退しましたね。企業として、今後さらに大きな市場となるはずの中国を捨てるなんて、なかなかやるものだと思いました。
 昨年末に北京に出張した際、宿泊したホテルからいろいろなサイトへの接続を試してみましたが、「天安門」などの政治問題に関するサイトはもちろんのこと、あまり政治とは関係が無いのでは?と思えるようなブログや掲示板にもアクセス不可能なものが多々あって、許可と不許可の基準がどうもよくわかりませんでした。筆者のサイトやブログ、掲示板などは問題なくアクセスできましたが、あまりこんなことを書くとそのうちにブロックされてしまうのでは?と思ったりします。今のところ中国からのアクセスは皆無だと思うのでまあ問題はありませんが。 
 いずれにしても、今後インターネットの中で中国語の占める割合がどんどん大きくなってくるのではないかと思います。以前ならば、インターネットの主要言語は完全に英語でした。無数にあるサイトの内で8割から9割は英語のサイトであると言われていましたので、欲しい情報(特に仕事で使うような情報)を世界中から集めようと思うと、英語が読めることが条件のようになっていました。今後、上記4億人以上の人たちが、もし自分でサイトを開いて情報を発信し始めたならば、世界中のインターネットが中国語で埋まってしまうかも知れませんね。

 実際、パソコンのマルチ言語対応が進んだおかげで、例えばインターネットエクスプローラー(IE)などでは、勝手にその言語のフォントを取り込んでくれるので、中国語や韓国語のページはもちろん、ロシア語やフランス語、タミル語やタイ語でさえも難なく表示してしまいます。

 また、例えば元々は英語で書かれた掲示板に、中国語や日本語、ハングル文字での書き込みも出来るようになっていますので、人気のあるYoutube動画のコメント欄などでは、色んな文字の書き込みを見ることができます。ついでに書くと、IEのツールバーに「翻訳ボタン」を追加してさえおけば、世界中の言語の(全部ではないと思いますが)ページをワンクリックするだけで、だいたいは意味のわかる翻訳をしてくれます。

 ほんの数年前まで、このような他の国の言語で書かれたページを読むためには、その国の文字のフォントをいちいちダウンロードしてインストールする必要がありましたし、英語以外の言葉をネット上で翻訳するのはかなり大変な事だったのですが、技術の進歩が本当に便利に変えてくれました。使う人間はそんなに変わらないんですが・・・


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