書類削減 

 さすがに涼しくなりましたね。自分の今の部屋からはあまり山が見えないので、色づいた木々から秋の深まりを感じると言うわけではないのですが、朝晩の冷え込みはもうすっかり晩秋です。

 さて今月は、電子化による書類削減のお話です。

 パソコンやCAD(コンピュータによる設計)が普及し始めた頃、「コンピュータがもっともっと普及したら、世の中から紙の書類や図面は無くなる」と言われていました。オフィスからは紙の書類や分厚いファイル(ホントのファイル)は消え、すべてが電子データになって、みんなパソコンの画面だけでそれを見るようになる・・はずでした。

 ところがところが、現実は全くその反対で、文書や図面の作成は確かにパソコンの中で行うものの、チェックのために何回も印刷したり、やっぱり現物を自分で持っておきたいとのニーズがあるのでしょうか、たくさんの部数をコピーして配布したり、特に仕事場の身の回りの書類は増加の一途です。

 一度見たものはどんどん捨ててしまえれば良いのですが、ひょっとしたらまた必要になるかも知れないと思うと、なかなか捨てられません。筆者も以前は配布される全ての書類にパンチで穴をあけて、大きなファイルに時系列で保管していました。これが、1年間で厚さにして60センチくらいになるので、後から探すのが大変、結局、必要な時には出てこなくてもう一度パソコンの中を捜して印刷するというようなことになっていました。

 この春にネットブックを買ったのを機に、書類は全部PDFにしてセキュリティー付きのUSBメモリーに保管するようにしました。紙で送られてくるものはしょうがないのでスキャナ機能が付いたプリンタで取り込み、用済みの紙は廃却。それももったいない話なので、訳を話して可能な限りPDF形式でデータをもらうようにしています。

 これを始めて約半年、1ギガのUSBメモリーのうち約150メガが使われている状況ですので、2年分の容量は十分ありそうです。

 PDFファイルを扱う上での注意点を少し。WORDやEXCELから直接PDF化した資料の場合には、文字情報は通常「文字(テキスト)データ」としても入っており、PDFデータからもカット&ペースト等の操作で文字データを取り出すことが可能です。ところが、一度紙に出力したものをスキャナで読み込んでPDFにする場合には、単に「画像」として読み込んでしまうと文字のデータは取り出せなくなります。(「画像」として見ることは出来ますが)

 便利なことに、最近の有名メーカー製のスキャナ・プリンタでは、この画像から文字情報を取り出す機能(OCR処理)が標準で付属されています。ですので、使い始めるときの設定さえやっておけば意識せずに文字情報を取り込んでくれます。(このデータを「透明テキスト付PDF」と呼ぶ)

 このように、文字がテキストデータとして入ってさえいれば、後から書類を捜すときに「キーワード検索」や「全文検索」が可能になりますので、分類のために文書につける名前で悩んだり、フォルダを細かく分けたりする必要がなくなります。分類のフォルダを細かくし過ぎて、かえってどこに入っているかわからなくなることはよくある事です。

 取り込む際の解像度は300dpiがちょうど良いとのことです。容量がそれほど大きくならず、後でもう一度印刷した時の見栄えがそれほど悪くならないのがこの程度の解像度でしょう。解像度を上げ過ぎると取り込む際の時間も長くかかります。そうそう、カラーで取り込むと一気に容量が増えてしまいますので、通常の書類ならばモノクロで十分だと思います。

 それから、USBメモリーは小さくて紛失しやすいので、ある程度データがたまったら、別の記憶媒体にバックアップを取っておくことを忘れないでください。再入手不可能な書類のデータを紛失しても、当局は一切関知しません・・・。


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