パソコンとデジタル放送
 
 1年の過ぎる早さには本当に驚いてしまいます。毎年12月には年賀状とかクリスマスカードの事などを書いていますが、この前書いたばかりのような気がして、バックナンバーを振り返ってみると、やっぱりちゃんと11回書いているので、また1年経ってしまったことを実感するという訳で・・・。

 今月はパソコンとデジタル放送のお話です。
 「パソコンでテレビを見る」という事については、以前にも書かせていただきましたが、その頃とはずいぶん状況も変わって来ました。

 西暦2011年7月をもって、現在の一般的なテレビ放送(アナログ放送)は全て終了し、デジタル放送に切り替えられるというのは皆さんご存知のことと思います。もう既にデジタル放送が始まっている地域もあります。例えば大阪では、読売、関西、朝日、毎日、それからNHKとテレビ大阪の各社がデジタル放送を始めており、今はデジタルとアナログが共存している状態ですが(これは、サイマル(並行)放送と言って、今はアナログ放送しか見られない世帯がほとんどのため、同じ内容を並行で放送することが義務づけられているからだそうです。)2011年7月以降は、デジタル放送に対応したテレビでないと、テレビ放送は見られなくなってしまいます。(現在のアナログテレビでもデジタルチューナーという機器を追加すればOKですが。)

 この地上デジタル放送に合わせて、来年4月1日から「携帯機器向けのデジタル放送」が始まります。1セグメント放送(略して「ワンセグ」)というのがそれで、普通のデジタル放送と内容はまったく同じですが、解像度(画面のキメ細かさ)を下げることによって、やや能力の劣る携帯機器などでもスムーズに画像を見られるようにしたものです。画面の解像度は320X240ドットとの事なので、大きな画面では粗さが目立つでしょうが、携帯電話やカーナビ、あるいは小さなノート型パソコンで見るのであれば充分と言えるでしょう。

 これまでにも、ポケットテレビやテレビの見られる携帯電話はありましたし、チューナーカードをノートパソコンに付けたりすれば外出中にもパソコンでテレビを見る事はできました。ただ、経験者はおわかりかと思いますが、移動しながら受信するアナログの電波は非常に不安定で、なかなか綺麗な映像で連続して視聴することは困難でした。サッカーのワールドカップの際、電車の中でポケットテレビを見ていましたが、映像が途切れ途切れになってしまって、肝心のシュートシーンはまったく見られなかった苦い経験があります。デジタルの「ワンセグ」になるとこの辺がずいぶん改善されて、電車や車で移動中でもほとんどとぎれる事無く受信可能になるとのことです。

 こんな風に便利にはなって来ますが、なかなか追いついていないのが「バッテリー」(携帯用電源)です。テレビ付き携帯電話は1時間ほどしか持ちませんし(今はもう少し改善されているのかも?)、パソコンでも、最近はかなり長持ちするものも出て来てはいますが、一般的には2〜3時間程度でバッテリーが切れてしまいます。今のところ、市販品で一番効率が良く長持ちする電池は「リチウムイオン電池」(携帯電話もほとんどがこれ)らしいですが、長時間のカラー画面の表示にはまだまだ不満です。

 と、ここまで書いてからインターネットで色々調べて見ると、携帯電話やパソコン向けの「燃料電池」が開発された、というニュースが出てきました。メチルアルコール(アルコールランプでよく使いましたね?)を使って発生させた水素で発電するそうです。普及すれば、100円ライターのようにコンビニでアルコールのカートリッジを販売する予定だとか。その昔、アポロ宇宙船で使われていたと言われる技術が、携帯の電源に使われるなんて、すごい世の中と言ったら良いのか・・・



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