中津




 大分は最近、湯布院がやたら有名になったが、そこには行ったことがない。ずっと昔、修学旅行で別府に行ったのと、仕事でどこか宮崎県境の町に行ったのと、あとはお世話になった方のお葬式に参列するために中津に行ったことがあるだけ。

 大阪から、「のぞみ」と何とかソニック?という特急列車を乗り継いで、5時間くらいはかかったろうか。
 その方には昔本当にお世話になりながら、故郷の九州に戻られたあとは、年賀状をやり取りするだけになっていて、そんな重い病気に罹っておられたことなど全く知らなかった。

 お元気なうちに、もっとお会いしておけばよかった。そんな悔恨の情に苛まれながら中津の駅に降りた。時間があったので、駅から斎場までの道をゆっくりと歩いた。12月も末になっていたが、瀬戸内海側に面したこの街は、自分の心中とは裏腹、あたたかく穏やかに晴れ渡っていた。(この項、写真なし)


  
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