デジタル写真の保存方法

  
 暑い暑いと言ってるうちにも、秋の気配が少しずつ感じられるこの頃です。今月は、デジタルカメラ画像の保管方法について書いてみます。

 デジタルカメラの高性能化、低価格化、それにカラープリンタの性能向上のおかげで、最近は、自宅で簡単に従来のカラー写真並のプリントを作れるようになって来ました。光沢ロール紙を使って写真を次々に印刷するようなデモを、パソコン店で見られた方も多いことでしょう。写真1枚あたりのコストはそんなに安くはありませんが、パソコンの画面で写真の内容を確認してからプリントできるので、無駄なプリントが無いという点や、トリミングや引き伸ばしなども、パソコン内で自分でできるということもあって、従来のカメラにとってかわり、「主役はデジタル」というような雰囲気です。 

 ここで気になってくるのは、撮った写真の保存方法でしょう。従来のカラー写真も初期の頃は、「色あせ」問題が大きな課題だったそうですが、最近は感光剤などの改良が進み、「100年プリント」というようなCMをしていたメーカーもありました。
 ところが、パソコンのプリンタは、まだ、「色の耐久性」に対する性能は、そこまで高められていないため、現状のプリンタで印刷した写真は、長期保管により、必ず「色あせ」を起こします。色あせの原因はいろいろあるらしいのですが、大きくは空気中の酸素(またはオゾン)と光(紫外線など)のようです。明るい室内に、プリントした写真を貼っておくと、意外なほど早く色あせしてしまった経験をお持ちの方は多いと思います。
 プリンタで印刷したものの色を少しでも長く保ちたいなら、空気を遮断して暗いところに置いておくことですが、これでは何のためにプリントするのかわかりませんので、今のところ自分でできる対策としては、

@印刷用紙はプリンタメーカーの推奨品を使う
A印刷したものは十分に乾燥させる
Bガラスの額縁等に入れる
Cラミネートする
D直射日光には当てない
などでしょう。
 
 どうしても写真並の耐久性が必要であれば、写真屋さんの「デジカメプリント」サービスを利用するという手があります。デジタルカメラのデータをDPE店に持っていって、「写真」にしてもらうという方法です。デジタルカメラのメモリー部を、そのまま持って行っても処理してくれるところもあるようですね。1枚の価格は少々高くなりますが、できあがったものは従来の写真とまったく同じ現像方法なので、耐久性も写真並となります。
 
 プリンタ側でも、最近は少しずつ「印刷物の耐久性」を考慮した製品が出てきています。その一つは「顔料系インク」と呼ばれるもので、従来の「染料系インク」と異なり、いわば絵の具の粉を溶かしたようなインクなので、色あせについては格段に良くなるとのことです。ただ、そのインクの特性(粒子が粗い)から、綺麗さや乾燥の遅さではまだ不満が残ります。

 こうして見ますと、家庭用のインクジェットプリンタでの印刷物を、長期保管用として従来の写真と同じように考えるのは、まだ時期尚早と言えるのかも知れません。データとパソコンがある限り、いつでも取り出して印刷できるのがデジタル写真の強みですので、飾っておいて、「色あせたらまた印刷」というのが賢い使い方なのでしょう。

 さて、その「データ」の保管方法にも注意が必要なのです。画像データというものは思ったより容量が多いので、全部ハードディスクに入れていくとディスクの容量不足になったりします。このあたりのことは、また来月号に書きますので、お楽しみに!


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