Y2K?

「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもので、ようやく過ごしやすい季節になってきました。
アンゴルモアの大王が降ってくるはずだった、1999年7の月は何事もなく過ぎ、次はいよいよ「魔のY2K」の番となりました。
 「Y2K」と、このごろ何やら隠語めいた言葉で表現されることが多いので、何のことやら?と思っておられる方も多いかも知れません。これはコンピュータ業界独特の略語で、Yは年、2Kは2000の意味で、いわゆる「西暦2000年問題」のことを指します。
ご存知の方も多いと思いますが、もう一度復習してみましょう。
しばらく前(主に1980年代)に作られたコンピュータ・プログラムは、西暦年の下二桁だけを使って年を表わしていたため、西暦2000年になると「00」年となって、それが1900年だと判断してしまいます。そうなると、プログラムの中で時間的前後関係がメチャメチャになって、処理を受け付けなくなったり、ひどい場合にはコンピュータそのものが停止してしまったり、データが壊れてしまったりする可能性があるというものです。
言うまでもなく、今の私達の社会は、コンピュータなしでは動かなくなってしまっている部分がたくさんあります。新幹線や飛行機の切符予約はもちろん、それらが走ったり飛んだりするのも、ほとんどコンピュータがやっていると言っても過言ではありません。電気やガスの供給元も同じようなものです。今年の大晦日、これらがいっせいに止まってしまったら、いったいどんなことになるのでしょうか?
コンピュータ自体は新しくても、その中で動いているプログラム(ソフトウェア)の中には、かなり古いものが混じっている事も多く、複雑なシステムの中から、そういった不具合の発生する可能性のある部分を見つけ出すのは、大変手間のかかる仕事です。ここ2〜3年ほど前から、コンピュータ依存度の高い企業や官庁では、プログラムの修正作業を行ってきており、ほとんどのところは大丈夫と言えるようになってきてはいるらしいのですが、なにせ人間のやることですから、100%間違いなくできているのかどうかはかなり疑わしいように思います。JRなどでも、例えばJR東日本は、大晦日の0時前後5分間はすべての電車を止めることにしているようですし(JR西日本は止めないらしい!)、この時間帯に飛ぶ飛行機に搭乗するツアーは全部やめるという旅行会社もあるそうです。
何が起きるか予測できない(何も起こらないかも知れない)というのが本当のところですが、今年の大晦日は家でおとなしくしているのが正解かも知れませんね。

さて、上に書いたようなことは大きなコンピュータに限ったことで、私達が家で使っているようなパソコンには関係のないことなのでしょうか?実は、厄介なことに、そうでもないようなのです。Windows98が最初から乗っているような新しいパソコンではまったく問題は発生しないようですが、それ以前のマシンでは、メーカーによって、問題が発生する可能性のあるものもあるようです。ものによっては、「BIOSの書き換え」というかなり難しい作業をしないと年明けからは起動しなくなるというものもあるらしく、注意が必要です。
これに対する対応の仕方は、パソコンの種類やメーカーによってまちまちのため、一般的な内容としてここに書くことはできませんが、不安に思われる方は、買ったお店でたずねられるか、メーカーのホームページで確認されるのが良いと思います。



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