「バージョンアップとデータの互換性」

 Windows98が出るのと相前後して、いろいろなアプリケーションソフトも次々に新バージョンが発売になり、ユーザー登録をしておられる方であれば、「優待価格でできるバージョンアップのお知らせ」がソフトメーカーからたくさん届いていることと思います。

 代表的ワープロソフトである「Word」を例にとれば、Windows95が出た頃には、「Word95」でしたが、その後「97」が出て、いまでは「Word98」と呼ばれるものになっています。 「優待価格」と書いたように、ソフトメーカーは、自社のソフトをずっと続けて使ってもらうために、新規に購入するよりもずっと安い価格で、これらのバージョンアップソフトを提供しています。もちろんバージョンアップ品には、それまでの旧製品にはない新しい機能が盛り込まれておりますし、価格の安さもあいまってつい買ってしまうのが一般のユーザーではないでしょうか?

 ここで問題になってくるのが、新旧バージョン間でのデータの互換性です。以前に作った文書フロッピーは新しいバージョンで読むことができるのでしょうか?また、その逆はどうなるのでしょうか?

 多くの場合、旧バージョンで作成したデータは、新バージョンで問題なく読むことができます。でもその反対はできないのが普通です。たとえば、「Word95」で作成した文書は、「Word97」で読むことができますが、「Word97」で作った文書は「Word95」では読めません。 よく問題になるのは、家のパソコンは「97」、会社では「95」というような場合です。会社で作りかけの文書を、フロッピーで持ち帰り、家のパソコンで仕上げて、会社に持っていくとぜんぜん読めなくなっている、というようなことが起こります。会社と合わす必要があるために、家のソフトもバージョンアップしていないという方も多いのではないでしょうか? これでは不便でしょうがありませんね。なにかうまい手はないのでしょうか?

 実は、これらの不便さを解消するために、「Word」「一太郎」「Excel」などの代表的なソフトには「旧バージョン形式で保存」という便利な機能があります。この機能を使って保存すれば、「Word97」で作った文書を「Word95」で読めますし、「一太郎8」のフロッピーも「一太郎7」や「一太郎6.3」で読むことができるのです。 具体的な方法を書いてみますと、たとえば「Word97」の場合なら、文書を作成して保存する時に、左上メニューの「ファイル」から「名前を付けて保存」を選びます。「ファイル名を付けて保存」の窓が開きますが、下のほうに「ファイルの種類」という小窓がありますね。ここの三角ボタンをクリックして、ずっと下のほうにある「Word 97 & 6.0/95 - RTF」を選択します。これでOKを押せば、データは「Word95」で読める形で保存されます。「一太郎8」でもほぼ同様に、「ファイル」の「名前を付けて保存」から、「保存形式」のところを「7形式」等にすれば、旧バージョンで読める形で保存できます。「Excel」でも同様です。

 ひとつ注意しなければならないことは、新バージョンにしかない機能を使ってデータ(文書)を作っていた場合、旧形式で保存をすると、その部分が無視されるか、不完全な形になってしまうということです。あまり複雑なことをやっていなければ、めったに発生しませんし、そんな場合にはメッセージが出て注意を促すようになっていますので、問題になることは少ないとは思いますが。

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