Facebookについて

  あの大震災と大津波発生の日からもう3ヶ月が経過しました。まだまだご不便な生活を強いられているたくさんの方々、一日も早く元の生活が出来るようになることをお祈り申し上げます。

 さて今月は「Facebook」についてのお話です。
以前、この欄でもSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の一つとしてmixi(ミクシィ)を取り上げたことがありました。mixiは国内のSNSとしては最大規模(利用者数約2000万人とのこと)で日本では一番有名ですが、mixiは日本で生まれたためその利用者が基本的に日本人(日本語文化圏)だけなのに対して、Facebookはもともとアメリカの大学生の間のコミュニケーションツールとして発達し、それから全世界に広がったため、約6億人の利用者がいると言われています。元々は英語のページしか無かったものが、そのうちに世界各国語に訳されるようになり、日本語版が2008年にできたのを機に、日本でもかなり広がりつつあります。Microsoft社が出資したことから企業としての時価総額が急上昇し、また、Facebook創始者マーク・ザッカーバーグ氏の自伝的映画「ソーシャルネットワーク」が公開されたことから一気に知名度が上がってきました。

 Facebookの機能としてはmixiと似たところも多いのですが、大きく異なるところがあります。それは「実名」での登録と利用が大前提であるというところです。もちろん登録されている全ての名前が本当に実名かどうかを確かめる方法は無いので、匿名や偽名で使っている人もいるのかもしれませんが、ビジネスや趣味での真面目なコミュニケーションを取るために使っている人が多いせいか、実名での登録がほとんどのようで、筆者の知人(友人)達もみんな実名で登録しているようです。

 ネットは匿名で、というやり方に慣れ親しんでいる人からすれば、この「実名でのアクセス」にはかなり抵抗があるかも知れませんが、逆にこの実名をオープンにすることによって自然に責任のある使い方をするようになり、内容の信頼性が上がるというメリットがあるのですね。匿名書き込み掲示板の代表的存在である「2ちゃんねる」が一時期ひどいことになっていたのとは対照的に、Facebookにはネット特有の醜い部分はあまり見られないように思います。

 実名で登録することのもう一つのメリットは、人物が探しやすいということでしょう。筆者も登録してすぐに学生時代の後輩数人からコンタクトがあり、何十年振りかで近況を報告しあうことができました。自分の顔写真も登録するようになっている(これは義務ではありません)ので、お互いのあまりの変わりように驚いたりして。さすがに恥ずかしくなって、今は自分の顔がはっきりわかる写真は外しましたが。

 さらに機能上で特徴的なのは、自分のパソコンのメールソフトに入っている全てのメールアドレスからFacebook内での友人を自動的に探してくれる、という機能です。これを機に、ずっと昔にメールをやり取りしたことがある、という程度のお付き合いだった方との交流が復活することもあります。まあ、この機能は良し悪しと言えなくもありません。

 Facebookの知名度が日本でも上がっている、と最初に書きましたが、実際の使用者はまだまだ少ないらしく、「Facebook後進国」と呼ばれている、という記事がありました。欧州やインドを含めた英語圏では、仕事で名刺交換をした相手をすぐにFacebookで調べて、相手のことをより詳しく知りビジネスに生かすということが一般的になりつつあるそうですが、なかなか日本ではそうはならないようです。

 これには色々の理由があるのでしょう。ヘビーなネット利用者はいわゆるオタクと思われやすい、実名を出すことへの抵抗感、世界中の友人とやり取りするためにはやはり英語能力が必要・・等々。セキュリティーの面でも、一度ネット上に公開されてしまった自分の情報は取り戻しができないので、その危険性は十分に考慮しておく必要はあります。

 いずれにしても、ミクシィ、ツイッターがブームになったと思ったら次はフェイスブック、ネット上にはホントに色んなものが次々に出てきます。これらがほんの一時的な流行で終わってしまうのか、今後のコミュニケーションの主流となって定着していくのかを見極めるには、もう少し時間がかかりそうです。

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