謹賀新年

 2011年の新春です。明けましておめでとうございます。皆様どんなお正月をお迎えでしょうか?本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

 この「かんたんパソコン講座」も、今年でなんと連載15年目となり、パソコンそのもののめまぐるしい変化と、世の中のIT機器全体が大きく変わりつつある流れの中で、毎月書かせていただくテーマに本当に悩む今日この頃ですが、何とか続けられるだけは続けさせていただこうと思っています。

 一般消費者向けパソコンの販売台数がどんどん減少しているというニュースを読みました。一昨年から昨年前半にかけては、ここにも少し書きましたように、ネットブックと呼ばれる小さくて安価なノートパソコンがかなり売れたことによって、販売台数はかなり伸びたと言われていました。ところが昨年の後半から、特にノートパソコンの販売が低調になってしまったということです。

 その原因はiPadに代表される、いわゆる「タブレット端末」の伸びにあると言われています。広い意味ではiPhoneなどのスマートフォンなどもタブレット端末として捉えて良いのかも知れません。こういった製品の発売当初は、主に本や動画などをネットを通して見るための機器というような位置づけだったので、パソコンの替わりにはなり得ないものと考えられていました。実際、キーボードを持たないその形態と、マルチタスク(複数のソフトを同時に使う)に対応していなかったため、例えば文書の作成やデータの入力など、仕事で使うには不便なものですし、USBなどの外部機器の接続部を全く備えていないこともパソコンと比較すれば大きな欠点です。

 ところが実際に使ってみると、これがなかなか良いのです。筆者はしばらく前からiPhoneを使っていますが、慣れるまでは少し時間はかかったものの、画面を指先でサッと撫でるように動かすだけでページめくりが出来たり、2本の指を開いたり閉じたりして画面を拡大縮小したりする操作が、なんとも気持ちの良いものなのです。クリックも画面の欲しい部分をトンとタップするだけでOK、人間の直感的な感覚に近い操作感覚です。

 こういった操作に慣れてしまうと、マウスでツールバーをクリックするような操作がだんだん面倒になってきて、つい画面を指で触ろうとしてしまいます。新聞など普通の紙に書かれたものを読んでいる時でも、指で広げて文字を大きくできないものかと思ったりしてしまいます。

 考えてみれば、私たちが自宅で使うパソコンの使い方は、ネットを見る、調べ物をする、写真や動画を見る、短いメールを打つ、というのが大部分なので、こんなタブレット端末でほとんどのことは可能なのですね。それで使い勝手が良ければ、どんどんパソコンに置き換わっていくようになるのも無理はありません。懸案だったマルチタスクにも対応するようになったとの事ですので、パソコンとの差はますます無くなって来ます。筆者も、iPhoneを手に入れて以来、パソコンを使う時間がかなり減ったというのは先月書いた通りですが、今書いているこんな原稿を打ち込む時や、大きな画面で動画を見るような時以外は、ほとんどiPhoneで代用可能になっています。特に携帯電話に慣れた若い人たちは、パソコンの必要性をほとんど感じなくなるのではないでしょうか?

 そもそもあの「マウスによる入力」を最初に実現したのもApple社でした。それまでキーボードによる文字の入力が主体だったパソコンの操作を、マウスでカーソルを動かしてクリックするという簡単な動作で行えるようにしたことで、パソコンの一般化が飛躍的に進んだと言われています。

 今回のタブレット端末も、その新しい操作方法はAppleのアイデアが元になっています。スマートフォンが普及して、みんながこういった操作方法に慣れてくれば、今後はまたWindowsパソコンの入力方法もどんどんタブレット端末の方に近づいてくるのかも知れませんね。

今年1年が皆様にとって素晴らしい年でありますように。


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