スクラップ・ブック

 サッカーワールドカップと選挙が終わり、世の中が少し静かになりました。まだまだ暑い日が続きますが、エアコンの当りすぎで体調を崩す方が多いようです。たまには思い切り汗をかいてやることも体にとっては必要なのでしょう。

 今月のお題の「スクラップ」、何か懐かしい感じがしますね。昔々、入手できる情報がほとんど紙媒体だったころ、雑誌や新聞などで残しておきたい記事を見つけた時には、ハサミで切り抜いてスクラップ・ブックに貼り付けるというのが定番でした。茶色の紙でできたそれ専用の冊子がありましたね(今もあるのかな?)。筆者の本棚の中にも、十数年前の日経の連載切り抜きなどがまだ大事に取ってあったりします。

 こういった紙情報のかなりの部分がインターネットに移り、パソコンで読めるようになりました。もちろん紙面上の活字というのは、まだまだ捨て難い「確実性」のようなものがあり、そんなに簡単にはなくなってしまうことは無いと思いますが。

 さて、皆さんは、インターネットで面白いページを見つけてそれを取っておきたい時、どんな風にされているでしょうか?たぶん、ほとんどの方は「お気に入りに追加」だと思います。見ているページを表示させたままで、「お気に入りに追加」をしておけば、いつでも呼び出して見ることができます。

 ただ、この方法には大きな危険性があります。それは、そのサイトが無くなったら見ることができない、という点です。言うまでもなく「お気に入りに追加」は、そのページの内容を保存しているわけではなく、そのアドレスのURL(場所の記号)のみを保存しているだけなので、例えばニュースの記事など、そのページそのものが更新されてしまったらもう二度と呼び出すことはできません。

 こういった事を防ぎ、そのページ丸ごとパソコンに保存するためには、インターネットエクスプローラならば「「ファイル」「名前を付けて保存」を行う必要があります。こうすることによって、そのページのテキスト(文章)や画像、その他リンク情報なども一気にハードディスク等の中に保存(通常はmht形式のファイル)できますので、もしそのサイトがネットから消え去ったとしても、自分のパソコンで復活させることができます。

 テキストと画像だけ何とか保存しておきさえすれば良いという時には、ページを表示させた状態で「編集」「すべて選択」をした上で右クリック「コピー」をしてWordなどに貼り付けるという手があります。但しこの方法は、大きな画像が多いページなどではファイルサイズがかなり大きくなりますし、ほとんどの場合、ページのレイアウトはかなり崩れてしまいますので注意が必要です。

 もう一つの方法は、以前にもここで少しご紹介した「PDF」を使う方法です。PDF作成ソフトは無料のものもありますが、やはり機能が限定されない有料(数千円)のものをお薦めします。これをパソコンにインストールしておけば、印刷をするのと同じ操作で画面の内容を取り込み、保存することができます。PRTSC(Print Screen)キーを使った画面のハードコピーと異なる点は、コピーした文字情報がそのままテキストデータとして残るので、例えば全文検索をかけてほしいページを見つける、といったようなことも可能になる点です。

 PDFファイルは、容量が比較的小さく、欲しい情報をどんどん集めるような場合には特に有効です。最近ではこのPDF上に、メモを書き込んだり付箋を貼り付けたりできるソフトもあり、紙のスクラップと同じような感覚でデータが扱えます。簡単に複製(バックアップ)が作れたり、上記のように内容の検索ができたりするところは、紙のスクラップ・ブックでは到底できないことなので、大量のデータを扱う方にはこの方法はうってつけと言えるでしょう。


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