脆弱性 

 10月ともなれば、周りの景色もさすがに秋めいて来ました。「秋の夜長」と言います。バタバタしているばかりの現代人にとってはあんまり関係ないことかも知れませんが、たまにはゆっくり虫の声でも聴きながら長い夜を楽しんでみたいものです。

 さて、今月の話題はそんな秋の夜長とは全く関係なく、「Windowsの脆弱性」というあまり有り難くないお話です。

 コンピュータ・ウィルスの話は何度となくここにも書いてきました。インターネットがブームになりかけの頃は、ウィルス対策用ソフトをインストールせずにインターネットを使っておられる方も多かったので、身近でもウィルス感染の話をちょくちょく聞きましたが、最近ではほとんど耳にしなくなりました。

 「Windowsの脆弱性」とは、もちろんこのコンピュータ・ウィルスと無関係ではありません。外部からコンピュータに入り込む穴という意味で「セキュリティー・ホール」と言われることもあります。ワームとも呼ばれる小さなウィルスプログラムが、Windowsのシステムに入り込み、その一部を改変したりしながら情報を勝手に外部に送るなどの悪さをするものです。普通のコンピュータ・ウィルスがそれ自体独立して存在するプログラムであることに対して、この脆弱性に関係するものはWindowsの機能そのものを利用して悪さをするというところに特徴があります。

 厄介なのは、例えばインターネットの動画を見たり特定のWebサイトにアクセスしたりするだけで、悪質なプログラムが勝手に入り込み、被害に遭う可能性があるということです。本人も全く知らないうちに、自分のパソコンがどこかにスパムメールを送る(「ボット」と呼ぶ)元凶になっていたら、イヤですよね。

 これらのモノの侵入を防ぎ、自分のパソコンを健康な状態に保っておくためには、「Windowsのアップデート」という作業を頻繁に行い、見つけられた穴を塞いでおかなければなりません。Windows XPやVistaでは標準でこのアップデート機能がついていますので、通常はインターネットに接続している限り自動的に脆弱性を修正するパッチプログラムをダウンロードしてくれます。自分のパソコンでその機能がちゃんと働いているかどうかを確認してみましょう。

 XPとVistaでは少しやり方が異なります。Vistaでは「スタート(左下のWindowsマーク)」「すべてのプログラム」の中に「Windows Update」、もしくは「コントロールパネル」の中にもあります。左側の「設定の変更」をクリックすると自動更新の状態が確認することができます。

 XPでは「スタート」「コントロールパネル」の中に「自動更新」というアイコンがあります。

 これをクリックすると上と同様に現在の自分のパソコンの状態が表示されます。標準的には「新しい更新プログラムを毎日3:00に自動的にインストールする」状態になっているはずですが、もし3:00(真夜中ですね・・)にパソコンが起動していない場合には、その後パソコンを起動するときとか終了するときに、自動的に更新が実行されると思います(終了時などにそういうメッセージが出ます)。もし「自動更新を無効にする」にチェックが入っていた場合は、早めに「自動」に切り替えておいてください。

 最近久しぶりに新幹線「のぞみ」に乗ったところ、すべての座席でパソコンが使えるようにコンセントがついている車両がありました。以前はノートパソコンのバッテリー状態をずっと気にしながら使っていたものですが、ずいぶん便利になったものだと思いました。飛行機の中でも同様に、コンセントばかりでなくインターネットまで見られるような設備を持ったものも出てきているそうです。そこまでしてパソコンを使わなくても、と言われそうですが・・。

かんたんパソコン講座目次

トップ