「Windowsって何?」

 ちょうど2年前の11月23日、秋葉原や日本橋の電気屋さんの前では、一大フィーバーが巻き起こっていました。まさにこの日が、あの有名な「Windows95」日本語版の発売日であったわけです。この日を境に、それまでよほどコンピュータに詳しい人の口にしか上ることのなかったOS(オペレーティング・システム)の名が万人に知られるところとなりました。

 さて、みなさん名前はよくご存知の「Windows」ですが、それがいったいパソコンの中でどんな働きをしているのかを説明するのはなかなか難しいことです。かんたんパソコン講座の4回目として、今日はOSとWindowsについて書いてみたいと思います。

 パソコンは「ソフトがなければただの箱」とよく言われます。たしかに、「Word」「一太郎」などのワープロソフトや、「Excel」「Lotus」などの表計算ソフト(プログラム)があって、初めてパソコンは仕事をしてくれます。ところがもう少し詳しく言うと、これらのソフトだけではやはりパソコンを動かすことはできません。キーボードで打った文字をパソコン本体に伝えるとか、ディスプレイに絵を表示するとか音を出すとか、フロッピーに何か書き込むとか、ソフトとパソコン本体の橋渡しの仕事はすべてOS(オーエス:オペレーティング・システム)と呼ばれる縁の下の力持ち的基本ソフトを介して行っているのです。

  「Windows」が出るまでは、「MS−DOS」(エムエスドス)が最もポピュラーなOSでした。MS=Micro−Soft社は、このソフトによって一躍世界企業となりました。この「MS−DOS」は、非常に優れたOSではありましたが、経験の少ない人が使いこなすのはなかなか難しいものでした。例えば、ファイルのコピーとか、中身を見たいような場合には、いちいち「コマンド」と呼ばれる命令語をキーボードから打ち込んでやる必要がありました。 何百種類にも及ぶこの「コマンド」を覚えるのは大変な事でしたし、何よりも真っ黒な画面にズラズラと表示されるコンピュータからのメッセージには、一種近寄りがたい雰囲気がありました。コンピュータが、選ばれた特殊な人たちだけのオモチャである頃には、それで問題は無かったのですが、「パーソナル」になるに従って、「もっと使いやすいOS」の要求が高まって来ました。

 そこに出てきたのがApple(=Mac−OS)でした。キーボードからの文字入力ではなく、「マウス」と呼ばれる新しい入力装置を使って、画面上の絵(アイコン)をクリックするだけで色々のことができてしまうこのOSは、見る見るうちにファンを獲得して行きました。

 Micro−Softも、総力を挙げてマウスを使うOSを開発し、「Windows」という名前をつけて世に出しました。色々のバージョンがありますが、95が出るまでは3.1と呼ばれるものが最も有名でした。このWindows3.1は、使いやすくはなっていたものの、色々な制約も多く、やはりMac−OSには負けるというのが通説となっていました。ただ、世界中の多くのパソコンメーカーがWindowsをOSに採用したため、数の上では圧倒的に優勢になりました。満を持して出したWindows95では、3.1の良くない点がほとんど改善されたと言われます。

 言うまでもなく、「Windows」は「窓」です。複数形ですから「窓たち」でしょうか。パソコンの画面上に自分の作業する小さな画面=窓を、たくさん開いて作業することからこんな名前が付けられたのでしょうが、インターネットが発達した今、その窓は世界に通ずる窓でもあるのです。みなさんも、この窓から世界に向かって飛び出して見ませんか?

  次回は、「インターネットってどんなもの?」です。お楽しみに


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