ブルーレイ・ディスク
 
 ようやく本格的に暖かくなってきました。今月から新しい場所で新しい暮らしを始められた方もたくさんおられることでしょうね。今月のパソコン講座は、パソコンとは直接関係の無い話題かも知れません。

 次世代の記録メディアとして、ここしばらくの間主導権争いが繰り広げられてきたHD−DVDとBD、東芝側の撤退宣言によってようやく終止符が打たれ、今後はソニー・松下陣営のBD(ブルーレイ・ディスク)に統一されて行くことになりました。

 筆者の家には、まだ数年前に買った普通のDVDしかありませんが、最近HD−DVDを購入された方はショックだったかも知れません。

 その昔、家庭用ビデオの規格でベータとVHSが争ったときには、標準モードでの録画可能時間の差が最終的にVHSの勝ちにつながったと言われています。今回のDVDも、通常のディスクでフルハイビジョンの放送を2時間録画できるかどうかが明暗を分けたようです。

 ベータの時に比べると、今回撤退が発表されたHD−DVDの場合は、まだそれほど普及するというところまで行っていなかったので、ユーザーとしては、「早めに統一されて良かった」というのが正直なところではないでしょうか?

 さて、こんな風に規格が統一され、今後は当分の間BD(ブルーレイ・ディスク)を使ってビデオデッキ用としてもパソコン用としても、全ての記録メディアとして普及して行くのかというと、どうもそうでもないようなのです。

 以前ここにも書かせていただいたように、オーディオのカセットテープは登場してから35年以上経って、一部ではまだ健在です。前記VHSのビデオテープでも、もう25年にもなりますが、まだまだたくさん使われていますね。ところがDVDなどは普及し始めてからまだ数年にしかならず、パソコンのソフト用メディアとして見ても、CD−ROMからようやくDVDに変わって来たところなのに、もう「次世代」とやらにその座を奪われようとしています。「容量が増えてさらに便利 になる」という言葉に、何となく騙されているような気がしてしまうのは筆者だけではないことでしょう。

 レンタル用も含めた映画などの映像ソフト用メディアとしては、今後しばらくの間はBDが標準となって行くでしょう。今回のHD−DVD陣営の敗北も、アメリカの映画配給会社の方針決定がきっかけでした。しかし、自分で個人的に録画するためのメディアとしてはBDはまだ未知数と言えるのではないかと思います。

 その背景には、SDカードやUSBメモリーなどのいわゆる「半導体メモリー」の大容量化と価格の大幅な低下があります。携帯用音楽プレーヤーが多くこの半導体メモリータイプを使っていることからもわかるように、小さくて取扱いが便利なこと、読み書きするための装置が簡単で済むこと、機械的ショックに強いことなどの利点から、一時記録用のメディアとしては、この半導体メモリーが主流になって行くのではないかと思います。半面、外部からのノイズに強いことや、その大きさのために中身が認識しやすいことから、半永久的に保存したいようなものについてはBDなどのディスクが選ばれるのではないでしょうか?好きなアーティストのアルバムやビデオが、例え中身は同じでも小さなメモリーカードしか入っていなかったら何か興ざめです。

 と、こんなことを書いてはいても、一昔前とは違って新しい技術が開発されればわずか1〜2年で業界地図が塗り変わってしまうような世の中です。今後もまた次々と画期的な技術と製品が生まれて来ることでしょう。そのたびに機材を買い換えていては、財布の中身も頭の中身もついて行けません。世の中の様子を見ながら選択を間違えないようにしようとは思っているものの、なかなか難しいものです・・・

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