著作権
 
 春が近づいてきました。四季があるというのは本当に素敵なことで、中でもこの季節、桜の蕾などを目にすると、過ぎ去った遠い日の卒業式のことなどが思い出されてまた気分を新たにしたりします。
 さて今月は、少々ややこしい「著作権」のお話です。文章に限らず音楽や映像までデジタル化されたせいで、誰でも比較的簡単にオリジナルと品質のほとんど変わらない「コピー」を作れるようになりました。昔のカセットテープやビデオテープなどアナログ機器の場合には、ダビングすると必ず音質や画質は劣化(ノイズの増加)しました。ところがデジタル化されたデータではコピーによる劣化がほとんど無く、いくらコピーしてもオリジナルと全く変わらないものが出来てしまいます。おまけにパソコンや携帯電話、インターネットがこれだけ発達したので、例えば音楽など、CDを買うよりもダウンロードして入手される方が多いと言われるくらいです。

 そのコピーを個人的に誰かに送ったり、インターネット上に公開したりすることも簡単に出来るだけでなく、「Winny」や「Napster」に代表されるいわゆる「インターネットを介したファイル交換ソフト」の流通のおかげで、瞬く間に違法コピーされた映画や音楽が氾濫することになってしまいました。音楽業界の売上がここ4〜5年下降気味なのは、これら違法コピーの横行のせいとも言われています。

 ファイル交換ソフトは、音楽や映像ばかりでなく、有名なソフトウェア本体そのものなども勝手に配布していたこともあって、これを頻繁に使用していた人の中からからまず逮捕者が出て、それから少し経ってとうとうWinnyの開発者も逮捕されてしまいました。

 逮捕者が出たことでWinnyばかりが有名になりましたが、この他にもファイル交換ソフトはたくさんあります。「Winnyでなければ大丈夫!」と誤解をされている方も多いようですので、今知られているもの以下に書いておきます。

 Cabos, BitTorrent, eMule, eDonkey, Gnutella, Kazaa, Morphe, LimeWire, Napster, Perfectdark, Share, WinMX など、まだ他にもあるかも知れません。

 これらのソフトを使うことは、多かれ少なかれ違法性を伴うファイルを取り込む可能性がありますし、前にもここに書きましたように、これらを介して感染するコンピュータウィルスによって、自分のパソコンの中身が全世界にばら撒かれてしまう可能性があります。もしインストールされている方がおられたら、できるだけ早くアンインストールされることをお薦めします。

 話が少し横道にそれました。例えば、音楽演奏などの場合であれば、著作権法第38条で『入場料を取っていない』『営利目的ではない』『出演者が報酬をもらっていない』等の条件を満たせば、誰かの曲をコンサートなどで歌っても違法では無いという解釈がなされていました。ところが、インターネットの場合は、あまりにも多くの人が自由に見たり聞いたり出来ることから、CDなどの曲をそのまま使うことはもちろん、歌詞だけ、メロディーだけをホームページやブログに載せても違法となる恐れがあります。こういった著作権のある音楽素材をホームページで使いたいときには、営利目的か否かにかかわらず、「日本著作権協会(JASRAC)」に連絡し、必要と判断される場合は何がしかのお金を払わなければならないことになっています。著作権は作者の死後50年は存在することになっているので、ほとんどの曲はこれに該当しますね。

 数え切れないほどあるホームページサイト、音楽を乗せているページも多く、これら全てがお金を払っているとも思えませんが、もし自分のページで誰かの曲を使っていた場合は、あるとき不意にお金の請求を受けることになるかも知れません。(但し、自分が作った曲であれば全く問題はありません。当たり前ですが・・・)


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