ダウングレード
 (Xp販売終了・・?)


 いつまでも暑いなぁと思っているうちに、あっという間に寒くなってしまいました。年々、春と秋のいちばん気候の良い期間が短くなってきているような気がします。夏と冬だけの国になってしまうのは、どう考えてもイヤですね。

 「Windows XPの販売終了時期が延期された」というニュースがありました。当初の予定では2008年1月30日に終了させる予定だったものが、顧客要望により5ヶ月延期して、6月30日にしたとのことです。Xpと言えば、2002年の初めに発売されたのですから、もう発売からは6年は経ったわけですが、ほんの1年前までまだMeを使っていた筆者などにとっては「もう終わりなの?」という感じです。

 これまでのバージョンアップの歴史を見ますと、Windows95はわずか3年後に98になり、98もたった2年でMeに、Meも2年でXPに変わったわけですから、今回のVistaまでの期間が6年間というのは、従来から比べればかなり長い期間になります。これまでの変更では、それほど問題にはされてこなかったのに、今回は特にXPパソコンを大量に使用している企業や、パソコンメーカからの延長要求が強く、販売終了時期を延期せざるを得なかったようです。

 従来のバージョンアップでは、かなり高い割合で古いOSへの互換性が保たれていました。例えば98からMeにバージョンアップする時には、それまで使っていたソフトやプリンタなどの周辺機器はほとんどそのまま問題なく使うことができました。また(これが最も大きい要素とも思えますが)、画面の見た目、操作方法もそれほど大きくは変わらなかったため、バージョンアップした場合でもほとんど違和感無く使えたことで、問題にならなかったと言えます。

 XPでは少し大きな変更となりましたが、従来のままの画面(クラシック表示)を選ぶこともできたので、古い使い方をしたいユーザはそれを選ぶこともできました。
ところがVistaは、少し変わりすぎたように思います。デスクトップのアイコンだけはクラシック表示を選べるようにはなっていますが、操作面や見た目の変更もさることながら、Vistaを快適に動かすために要求されるパソコンのスペック(仕様)が、これまでとは比較にならないくらい高くなってしまいました。これについては「かわらばん」今年1月号の本欄にも書かせていただきましたが、Vistaを使うためにはパソコンも最新のものに買い換える必要がある、というのが一般的です。従来のバージョンアップなら、例えばメモリーを増設するだけでも何とか使えたものが、パソコン本体まで新しくしなければならないとなると、企業などの大口ユーザでの更新はなかなか進まないのも理解できますね。景気のあまり良くない時期でもあったため、多くの企業でXPへの移行が遅れ、最近移行が終わったばかりというところも多いと聞きます。

 延期されたとは言え、来年の6月30日をもって、パソコンメーカへのXPの供給は停止されますので、それ以後は店頭で販売されるメーカ製パソコンはすべてVistaということになります。これを買ったがどうしてもXPを使いたい、あるいは会社の都合でXPでないとダメというユーザのためには、「ダウングレード権」というものが設定される予定とのことです。つまり、VistaのパソコンにXPを合法的に再インストールするわけですね。これらのサービスはMeからXPへの移行時にも同様にあったのですが、旧OSのメディアは自分で買わないといけなかったようです。今回は企業などの要望に答えて、旧OSのCDを添付しようという話もあるようですが、まだ詳細は不明です。

 しかし、新しいパソコンにお金を出してアップグレードではなく、わざわざ「ダウングレード」しないといけないなんて、何か割り切れないものがあります。完全上位互換性を保証するか、ワンタッチで前のOSに戻せるようなアップグレード方法は無いものでしょうか?


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