Winny怖い!
  
 なかなか暖かくならないなぁと思っているうちに、もう6月。心地よい初夏の風を楽しんでいる間もなく、一気に夏がくるのでしょうか?さて、今月は怖い怖いお話です。 

 近頃、また「情報流出」の話が世間を賑わせています。試しに「情報流出」で検索をかけて見ると、ここひと月ほどの間でも非常にたくさんの情報流出関連の話題があり、あまりにも多すぎてだんだん大きなニュースにはならなくなって来ていることがわかります。大きなニュースにならないからといって、脅威が無くなった訳ではなく、むしろ一般のパソコンからの個人情報流出の危険度は増加しているのではないでしょうか。

 これらのニュースを見ていて思うのは、少し前にあったような、誰かが悪意を持って顧客情報など営利目的のデータ転売をしていたことなどとは少し趣きが変わり、知らず知らずのうちに個人のパソコンからファイルの中身がネット上に流れ出してしまうという状況になっている点です。

 この情報流出の原因は、ほとんど「Winny」(ウィニー)と呼ばれるファイル交換ソフトにあります。安部官房長官が「国民への呼びかけ」の形で記者会見をしたことから、ご存知の方も多いでしょう。

 「Winny」は、インターネットを介してつながっている複数のパソコン間で、効率的にファイルを共有してやりとりするソフトとして開発されました。もともとの開発者には悪意は無かったと思います。従来のように個人間のメールへのファイル添付によるものとは根本的に異なり、パソコンの中のファイルを「共有」部分に入れておけば、世界中のどこからでもファイルを取り出せるし、見も知らない人のファイルまで勝手に探し出して自分のパソコンに取り込むことができます。

 当初、このWinnyが問題になったのは、主に著作権の侵害に関するものでした。音楽や映像などのデータをネット上で探したい場合、Winnyで検索をかけて少し待てば、公開されているデータが簡単に見つかります。特長的なのは、そのデータがネット上の誰のパソコンにあるのかが全く関知する必要が無いということです。まったくのタダで、最新の曲や映画が手に入るのですから、特に若い人の間でこれがブームになってしまいました。もちろん、商業上著作権のある音楽や映像のやりとりは違法です。音楽CDの売上が落ちたのもこれが原因ではないかと言われているくらいです。

 さてここからが大問題。このWinnyを利用するウィルスが発生しました。このウィルス、Winnyが入っている個人のパソコンにとり付くと、本来使用者の意思で公開しているファイルだけでなく、そのパソコン内の全てのファイルをネットに公開してしまいます。そればかりでなく、そのファイルのリンク(URL)を、たとえば「2チャンネル」などの巨大掲示板などに勝手にどんどん書き込んでしまうのです。掲示板を見ている読者がちょっとクリックするだけで、どこかの誰かのパソコンの中身(たぶん恥ずかしいものもあるでしょう)を、そっくり見ることができてしまいます。それが家族の写真とかならまだ良い(良くはないか?)のですが、仕事でも使っているパソコンならば、表には出したくないデータがどんどん流れ出て行きます。デスクトップがそのまま画像として公開される例もありました。保存している個人のパスワードなども流れ出す可能性もあります。怖いのは、こうやって一度ネットに流れてしまったデータは世界中のパソコンに蓄えられ、二度と回収することは不可能であるという点です。

 Winnyを使いながらこのウィルスに気をつけるということは、現実には不可能です。また、一緒につかっている家族の誰かが、知らないうちにWinnyをインストールしている場合もあります。どうか、皆さんのパソコンをチェックして、もしWinnyかそれに類するソフトが入っていれば、一刻も早く削除することをお勧めします。

(下記URLに、検出と削除方法の詳しいやり方が載っています。ご参考にしてください。)
http://event.yahoo.co.jp/winny/defence/index.html



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