2ちゃんねる
  
 まだまだ肌寒い日が続いていますが、3月の声を聞けば、少しは春になったような気がしますね。この「かんたんパソコン講座」も、とうとう連載100回目となりました。たまにお休みさせていただきながらも、100ヶ月と言えば8年とちょっと、よく続けてきたものだと思います。古い記事を読み返してみると、パソコンの進化を感じると同時に、基本的なところはあまり変わっていないということに少し安心したりもします。

 さて今回は、何かと物議をかもしていた「2ちゃんねる」について少し書いてみたいと思います。
 知っている人はものすごく深く知っているのに、まったく訪れたことがない人もたくさんいて、関わりかたでかなり温度差があるのが「2ちゃんねる」の世界です。もともとは一個人が運営する小さな掲示板だったらしいですが、インターネットの拡がりとともに爆発的にユーザーが増え、今ではマスメディアに対する言わば「裏」のメディアとして完全に市民権を得た感があります。以前とは随分変わり、今では「地震情報」とか「ニュース速報」などもあって、情報の早さと量では大手のポータルサイトよりも上かも知れません。

 映画やテレビドラマにまでなった「電車男」が始まったのがこの「2チャンネル」ということで、それまであまり縁が無かった人も見るようになったと聞きますが、匿名性のせい(おかげ?)で、誰でも自由な書き込みが出来るため、時として反社会的になったりして問題になることがあります。今では色んな自主規制で、それほどひどくは無いようですが、ひところ問題になった「自殺サイト」みたいなものも、ここから繋がっていました。

 「2ちゃんねる」でポピュラーになったもので、アスキーアート(AAと略)というのがあります。もともとテキスト(文字)のみの掲示板で、何とか絵を表現したいと思った投稿者が、色々工夫しながら文字だけの組み合わせで作った図形のことで、凝ったものになると、これだけで絵本のような世界を表現したものもあります。昔、大型コンピュータのラインプリンタを使って絵を描くのが流行ったことがありましたが、この流れを汲むものでしょうか?

 いわゆる「顔文字」の氾濫も特徴のひとつです。掲示板に書かれた色んな顔文字を見ていると、よくここまで考えたと感心します。また、掲示板にはそこだけで通じる独特の表現というのがあって、これを知っていないとまったく意味がわからないため、なかなか初めての人には敷居が高い部分もあります。例えば「すまん」をわざと「スマソ」(そ)と書いたり、中学生のことを「厨房」、ファイルをアップすることを「うp」などなど。もともと誤変換か誤字脱字の類が、ちょっと面白いとみんなが真似だして流行ってしまったのでしょうね。

 これを書きながら、もう一度「2ちゃんねる」のあちこちのスレ(スレッド:話題)を見直してみて、以前に比べてずいぶんまともと言うか、真面目な掲示板が多くなっている事に気がつきました。犯罪の温床になっているなどと指摘された管理者の方が、「投稿者のIPアドレスはすべて記録していること」「要請によっては、警察や裁判所に記録を提出する場合があること」を明記したからでしょうか。以前なら掲示板上でみんなから笑い物にされたような初歩的な質問でも、丁寧に答えてくれたりもしています。

 本場アメリカのインターネットフォーラムでは、本当に色々のことが真面目に議論されたり、教え合ったりされているのを見て、なかなか日本ではこうは行かない、すぐ個人攻撃を始めるなど、やはり「島国根性」で匿名なら大胆になれるだけなのかなと思っていたものですが、そうでもなくなって来ているようで、「2ちゃんねる」のような掲示板がもっともっと洗練されて、世論を引っ張っていくようになったら面白いと思います。

 「2ちゃんねる」URL
 http://www2.2ch.net/2ch.html


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